インプラント治療とは

何らかの原因で歯を失った部位の顎の骨の中に人工の材料(チタン)を歯根の代わりに顎の骨の中に埋め込む方法です。顎の骨と強固に結合させることによって歯根の働きを回復するものであり、インプラントとは「埋め込む」という意味です。
チタンは体の組織との親和性が高いため、骨の中に埋め込まれて数か月すると骨と強固に結合します。この状態でチタン製の歯根の上に歯や義歯を装着することで自分の歯と同じように食べ物を咬む機能を回復させる治療法をインプラント治療と言います。

当院でのインプラント治療
当院におけるインプラント治療は1988年に開始され、大学付属病院でこの治療を数多く手がけている経験豊富な歯科医師が担当しています。
インプラント治療をご希望になられましても、通常の処置法では治療が困難あるいは不可能な場合もあります。歯科インプラント治療は大変効果的な治療法ではありますが、全ての患者さんが簡単に受けられるものではありません。当院ではインプラント治療を開始する前に、インプラント治療を安全に受けて頂くために様々な検査を行っています。
これらの検査には通常2~3回の来院を要します。その後でインプラント治療が可能なのかどうかをご相談させていただいております。
骨が足りず、インプラント治療ができない患者様には、骨の再生治療もご提案しています。

患者様の声
インプラント治療を受けた患者様は、最初はやはり不安があったと思いますが、入れ歯の時とは比べようもないくらい何でも不自由なく食べられ、気持ちも明るく前向きになったことも、インプラントの効果だと確信しています。 あとは、『一本の歯の大切さ』を考えていただいて、残っている歯を一日でも長く使えるように、手入れをがんばりましょう。
当院では、インプラントにしてよかったと患者様から喜ばれています。当院でインプラント治療を受けた患者様にご協力をいただき、インプラント手術の感想や治療後の経過など、生の声をご紹介します。
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右上の前歯をむし歯で1本抜歯しなければならなくなってしまいました。両サイドの健康な歯を削ってブリッジにしなければならない、と説明を受けましたが、他の方法として「インプラントならば両サイドの歯を削らなくて大丈夫ですよ」と先生から説明を受けました。
いろいろと考えてやっぱり健康な歯を削るのがどうしてもイヤで、インプラント手術をすることとしました。しっかりと丁寧に説明していただき、安心して治療を受けることができました。 手術中もほとんど痛みがなく、あっという間に終わってしまいました。インプラントという選択は、大正解だったと今でも思っています。当院に通院するKさん 男性 会社員 35歳
Drからむし歯のない健康な歯を削らないで前歯にインプラントが入り良かったですね。
また検診に来て下さい。 -
30代からむし歯が多く、60歳になった頃、左下の奥歯のブリッジがだめになってしまい、他の歯医者さんで抜歯をして入れ歯にすることを勧められました。私の周りにも入れ歯を入れている方がいらっしゃいますが、まだ、どうしても入れ歯にする気持ちになれませんでした。 まだまだ永い人生、健康のためにインプラントにしようと、一大決心をしました。
手術は、受ける前はとても怖かったのですが、実際チェアに横になると、先生やスタッフの方が明るく声がけをしてくださり、 自分でも驚くほどリラックスして受けることができました。 術後数週間は、注意事項が多く心配しすぎたのか、口の中がいろいろと気になりましたが、特に体調をこわすこともありませんでした。
インプラントを入れたことで、食べ物を自分の歯のように噛めるようになり、本当に感動しました。 治療費が高いので、インプラント治療を理解してくれない人もいますが、私にとっては、思いきり笑って、思いきり噛みしめて、 美味しいものを楽しめるようになったインプラント治療は、服やアクセサリーや車よりも、高い価値があると思っています。当院に通院するTさん 女性 主婦 65歳
Drからインプラントの手術後、歯が入るまで1年かかりましたが、今では何でも食べられるになってよかったですね。
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40歳から部分入れ歯になり、50歳になったら頃から体調も悪くなってしまい、一気に歯がなくなってしましました。60歳頃から総入れ歯で、旅行に行った時や友人との食事会でも食べるものを選ばなければ食事ができない状態になってしまい、体重も減り、外食はなるべく控えて閉じこもりがちになってしまいました。
そんな時、総入れ歯が割れて第一歯科医院に受診しました。インプラント治療についての説明を伺い、勇気を出して下あごにインプラントの手術を受けることにしました。下あごに4本インプラントを入れて、 磁石で付けたり外したりするタイプにしました。
今では体重も増えて皆で食事をするのも、楽しみに出かけることができるようになりました。インプラント義歯にして本当によかったです。当院に通院するIさん 女性 主婦 83歳
Drからインプラント義歯にされてからお口のケアに気をつけておられ、とても良い状態です。
インプラント治療と従来の治療との違い
歯を失った場合、本数や症状に応じてブリッジや入れ歯での治療法もあります。
ここではインプラント治療との違いをご紹介します。
1. ブリッジとインプラントとの比較 (歯を1~2本失ってしまった方への治療法)
ブリッジの場合

- ブリッジの利点
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- 手術の必要が無く、短期間での治療が可能です。
- 経済的な負担は比較的少なく抑えることができます。
- 歯が失われている部位の状態によってはインプラント治療よりも審美性が回復できます。
- ブリッジの欠点
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- 両隣の歯が健康な場合であってもブリッジの土台にするために大きく削られるため、歯髄(神経)も取ることもあります。
- 歯髄(神経)を取ると歯の寿命は短くなると言われています。
- 歯がない部分に加わる咬む力も支えるため、土台となっている歯への負担が大きくなります。

インプラントの場合

- インプラントの利点
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- 両隣の健康な歯を削らずに、固定された人工の歯を入れることができます。
- インプラントの欠点
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- インプラントを顎の骨の中に埋め込む手術が必要となります。
- 治療期間が長くなる可能性があります。
- 骨の欠損が大きい場合など、インプラントでも審美性の回復が難しい事もがあります。
- 自由診療のため経済的な負担は比較的大きくなります。

症例紹介
- 上の前歯にインプラントを埋入しました。
2. 部分入れ歯とインプラントとの比較 (歯を複数本失ってしまった方への治療法)
複数本の歯を失ってしまった場合には、ブリッジは対応できません。
通常は部分入れ歯かインプラントで治療を行います。
部分入れ歯の場合

- 部分入れ歯の利点
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- 治療は比較的短時間で終わります、しかも歯を大きく削ることはほとんどありません。
- 入れ歯を取り外して清掃することが可能です。
- 修理や修正が容易にできます。
- 部分入れ歯の欠点
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- バネをかけた歯に違和感があり、歯に大きな負担がかかります。
- 入れ歯の面積が広くなると違和感が強くなります。
- バネが見えると審美性が悪くなることもあります。

インプラントの場合

- インプラントの利点
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- 入れ歯のような違和感はほとんどありません。
- 見た目は入れ歯よりも優れています。
- インプラントの欠点
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- 外科的な手術が必要となります。
- 治療期間は長くなります。
- 自由診療であるため、経済的負担が大きくなります。
症例紹介
- 奥歯2本にインプラント埋入しました。
- 両奥歯にインプラントを埋入しました。
3. 総入れ歯とインプラントとの比較 (歯をすべて失ってしまった方への治療法)
総入れ歯の場合

- 総入れ歯の利点
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- 治療は短期間で済みます。
- 取り外しが可能ですので入れ歯の清掃は簡単です。
- 修理や修正が比較的容易にできます。
- 総入れ歯の欠点
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- 痛みを感じたり、食べ物を良く咬めないことがあります。
- 発音が上手くできないことがあります。
- 入れ歯が外れたり、ずれたりします。
- 上顎では粘膜を広く覆うため、食べ物に対する味覚が悪くなることもあります。
- 長く入れ歯を使っていると顎の骨がやせてくることがあります。
インプラントの場合

- インプラントの利点
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- 入れ歯のように外れたりずれたりすることはありません。
- 硬いものでも自分の歯のように良くかめるし、痛みを感じることもありません。
- 味覚が損なわれることはありません。
- インプラントの欠点
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- 手術が必要となります。
- 治療期間は長くなります。
- 清掃が難しくなることもあります。
- 自由診療であるため、経済的な負担が大きくなります。
症例紹介
- 残っている歯を抜いて、骨再生治療後にインプラントを埋入しました。
アタッチメント(マグネット)義歯を装着しています。
インプラント治療の流れ

インプラントは人工歯を装着したからといって治療は終了ではありません。天然歯が歯周病にかかるように、清掃状態が悪ければインプラントも周囲炎といって歯周病のような状態に陥ってしまいます。
長く快適にインプラントをご使用いただくためにもメインテナンスが必要になります。定期的にお口の中の健康状態をチェックし、必要に応じてクリーニングを行いましょう。