歯科口腔外科・口腔がん│医療法人社団 みすず会 第一歯科医院

歯科口腔外科・口腔がん

歯科口腔外科

歯科口腔外科・口腔がん

歯科口腔外科では、お口の中をはじめ、お口周り全般のトラブル、例えば、舌、顎、顔面とそれらに近い器官に起こる病気・ケガの治療を行います。この領域には、事故やスポーツなどでの外傷、顎関節症、歯が原因で起こるものから癌まで、さまざまな疾患が発生します。

お口周りの異常は、発音や食事がうまくできないなどの機能的障害だけでなく、見た目にも、身体全体の健康にも影響します。治療により、お口と顔全体の自然な形態と機能を回復させ、健康と美しさを取り戻すお手伝いさせていただきます。

ポイント

口腔がん

口腔がんとは、口腔領域内にできる「がん」のことで、できる部位により、舌がん、歯肉がん、口底がん、頬粘膜がんなどと呼ばれます。ここでは、がん発生のメカニズムから予防法まで、ご説明していきます。

「がん」ってなに?

がん発生のメカニズム

「がん」とは、生体の正常細胞が、何らかの原因でその性格を変え、無目的・自律性かつ過剰に増殖するようになった状態をいいます。

がんで亡くなる人はどれくらいいるの?

主な死因の構成割合(2018年)

偏った食生活や睡眠不足、運動不足、喫煙、ストレスなどの積み重ねが原因となって発症するがん(悪性新生物)、心疾患(狭心症や心筋梗塞などの心臓病)、脳血管疾患(脳梗塞やクモ膜下出血などの脳の病)といった様々な病気のことを生活習慣病と言い、日本人の死因の半数以上を占めています。(グラフ参照)

口腔がんはどこにできるの?

口腔がんは、口腔の組織から発生するがんのことを言います。

口腔の組織としては、口唇、頬と口唇の内面、舌の前方の3分の2、上下顎歯肉、舌の下側にある口底部、口蓋部の骨のある部分、智歯(親知らず)の後ろの領域が含まれます。

がんのできる部位によって名称が変わり、舌がん、歯肉がん(上顎歯肉がん、下顎歯肉がん)、頬粘膜がん、口底がん、口唇がん(上唇がん、下唇がん)などがあります。

どこにできるの?

どんな人が口腔がんになりやすいの?

口腔がんの危険因子としては、下記があげられます。

1)喫煙
口腔がんが発生する最大のリスクファクターは、他のがん同様、喫煙です。喫煙者の口腔がん発生率は、非喫煙者に比べ約7倍も高く、死亡率は約4倍も高いという報告があるほどなのです。
2)飲酒
喫煙に次ぐリスクファクターとなるのが飲酒。特に50歳以上の男性で、毎日たばこを吸い、なお且つお酒も飲まれる方は最も危険です。飲酒時の喫煙は、たばこに含まれている発がん性物質がアルコールによって溶けて口腔粘膜に作用するため、よりリスクが高くなると考えられています。
3)その他
喫煙、飲酒以外に、「お口の清掃不良」や「むし歯の放置」、「合わない入れ歯や破れた被せ物などによる慢性的な刺激」、「栄養不良」などもリスクファクターとして挙げられています。
口腔がんの危険因子

口腔がん発見のポイントは?

痛みの少ない初期段階、痛みが出たら要注意

口腔がんの自覚症状で最も多いのが、口腔内の痛み。その他、しこり、腫れ、ただれ、出血、歯のぐらつき、口臭などが挙げられます。しかし、初期の段階では痛みが少なく、痛みが出て病院に来た時にはすでに進行しているケースが多く、舌や歯肉の盛り上がり、硬いしこり、なかなか治らない口内炎などの症状には注意が必要です。

舌がん発見のチェックポイント

口腔がんの中で一番多いがんは?

部位別口腔がん罹患者の割合で一番多いのは、舌がんで、口腔がん全体のうち50%以上を占めています。その他には、歯肉がん、口底がん、頬粘膜がんと続いています。

舌がんとは

口腔がんの治療方は?

手術、放射線療法、化学療法(抗がん剤)の3つの治療法を病気の時期によって組み合わせて行っています。

口腔がんの治療

口腔がんにならないために

口腔がんにならないために、日ごろから気をつけたいポイントをご紹介します。

  1. たばこ、お酒を控える
  2. 偏食をせず、バランスの良い食生活を心がける
  3. 歯磨きやうがいを習慣化して、口の中を清潔に保つ
  4. 合わない義歯(入れ歯)、破れた被せ物、治療していないむし歯などがあれば放置せず、歯科医師の治療を受ける。

口腔がんセルフチェック

口腔内の定期的なチェックや日ごろから気をつけたいのが、下記の症状や状態です。
1つでも「ある」にチェックが入った人は、すぐに歯科医院を受診しましょう。

① なかなか治らない「はれ」や「しこり」はないですか?

口の中の肥大したところや、触ってやや硬くなったりしているところは要注意です。

② 粘膜が「赤く」なったり「白く」なったりしているところはないですか?

粘膜が赤くなったり白くなったりしているのは「紅板症」や「白板症」かもしれません。どちらも前がん病変(※)ですので要注意です。

③ 治りにくい口内炎はありませんか?

2週間たっても治らないお口の中の荒れは要注意です。

④ 合わない入れ歯を無理して使っていて違和感がありませんか?

ガタついたり、噛むと痛みがある入れ歯を長く使用していると、その刺激でがんが発生するかもしれないので要注意です。

⑤ 食べ物が飲み込みにくくなったりしていませんか?

見た目には変化がなくても、舌や頬の動きが悪い、しびれや麻痺があるなどの症状は要注意です。

※前がん病変: 放置すると「がん」に移行する確立が高いので要注意です。

悪性化率(「がん」になってしまう確率)
紅板症(こうばんしょう) 40% > 白板症(はくばんしょう) 5~10%

症例

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